サラサクリップを買おうとして、棚の前で太さの数字を見たまま固まったこと、ありませんか。0.3、0.4、0.5、0.7、1.0。並んでいる数字は分かるのに、自分にどれが合うのかだけが分からない。とりあえず0.5を選んで、家で書いてみたら思っていたより太くて、うーんとなる。ここ、地味にモヤモヤするところですよね。
私も同じところでずっと迷っていました。サラサクリップの太さの比較を調べても、出てくるのは0.5と0.7を書き比べた写真ばかりで、なぜその差が出るのかまでは書かれていない。サラサの太さのおすすめを探しても、人によって答えがばらばら。何ミリが適しているのかという問いに、はっきり答えてくれる場所がなかなか見つからないんですよ。
でも、調べていくうちに理由がはっきりしました。ゼブラ自身が、商品に書かれている数字はボール径であって線の幅ではないと明言していて、しかもインクの種類ごとの実際の線幅を一覧表で公開しているんです。その表を読むと、サラサクリップの0.5mmが太く感じられるのは気のせいではなく、当たり前のことだと分かります。
この記事では、その公式データを手がかりに、太さごとの違いと、用途から逆算する選び方を整理していきます。耐水性はどうなのか、イラストに使うならどれか、替芯は太さで違うのか、シャーペンが付いたタイプはどうなのかまで、ひととおり答えを出しますね。読み終えるころには、次の1本を数字ではなく用途で選べるようになっているはずです。
- サラサクリップの太さ5種類と実際の線幅
- 同じ0.5でも油性ボールペンより太くなる理由
- 勉強・手帳・イラストなど用途別の目安
- 太さで変わるものと変わらないものの整理
サラサクリップの太さは何ミリを選ぶべきか
まずは、太さそのものの話から始めます。何種類あるのか、数字は何を指しているのか、そして太さを変えると何が変わって何が変わらないのか。ここを押さえておくと、あとの用途別の話がすっと入ってきますよ。
太さは0.3から1.0までの5種類
サラサクリップのボール径は、0.3mm・0.4mm・0.5mm・0.7mm・1.0mmの5種類です。ゼブラの製品ページに並んでいるとおりの数で、ここに0.6や0.8はありません。ネット上の比較記事だと4種類と書かれていることがあるのですが、それは0.4mmが加わる前の情報が残っているケースですね。実際に公式の製品ページを開くと、太さのタブが5つ並んでいます。
そして意外と知られていないのが、太さが違っても本体の値段もサイズも重さも同じだということ。5種類すべて1本110円(税抜100円)で、軸径11.0mm、全長141.0mm、重量10.9g。インクはどれも水性顔料で、可動式のバインダークリップも共通です。つまり太さ違いは「別のペン」ではなく、同じペンの先端違いなんですよ。握り心地が変わるとか、太いほうが高いといった心配はしなくて大丈夫です(価格は2026年8月時点のものです)。
もうひとつ、買うときに役立つ豆知識を。品番の頭を見れば太さが分かります。通販サイトだと商品名に太さが書かれていないことがありますが、品番さえ見れば間違えません。
| ボール径 | 品番の頭 | 適合替芯 | 価格 |
|---|---|---|---|
| 0.3mm | JJH15 | JF-0.3芯 | 110円 |
| 0.4mm | JJS15 | JF-0.4芯 | 110円 |
| 0.5mm | JJ15 | JF-0.5芯 | 110円 |
| 0.7mm | JJB15 | JF-0.7芯 | 110円 |
| 1.0mm | JJE15 | JF-1.0芯 | 110円 |
たとえばJJ15-BKなら0.5mmの黒、JJH15-BKなら0.3mmの黒ということになります。パッケージを開けてしまって太さが分からなくなったときも、軸の側面や替芯の型番で確認できますよ。ちなみに赤い羽根共同募金モデル(0.5mm・132円)と、名入れ専用のホワイト軸抗菌0.5もありますが、こちらは太さの選択肢というより別枠の商品ですね。

ボール径と実際の線幅は別物
ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。ペンに書かれている0.5という数字は、線の幅ではありません。ペン先に入っているボールの直径のことなんですよ。ゼブラも公式のQ&Aで、商品情報に表示されているマークはボール径であって筆記線の幅を示すものではない、とはっきり書いています(出典:ゼブラ株式会社『同じボール径なのに筆記線の太さが違うのはなぜですか?』)。
では実際の線はどのくらいの幅になるのか。ありがたいことに、同じ公式Q&Aのページにインクの種類ごとの筆記線幅をまとめた一覧表が図で掲載されています。2025年12月に更新されたもので、サラサクリップが属するのはジェルボールペン(水性顔料)の区分。数字はこうなります。
| ボール径 | 筆記線幅の目安(ジェル・水性顔料) |
|---|---|
| 0.3mm | 0.18〜0.20mm |
| 0.4mm | 0.26〜0.28mm |
| 0.5mm | 0.32〜0.34mm |
| 0.7mm | 0.35〜0.38mm |
| 1.0mm | 0.38〜0.48mm |
表を眺めると、いくつか気づくことがありますよね。まず0.5mmと0.7mmの差が思ったより小さいこと。0.32〜0.34mmと0.35〜0.38mmですから、実際の線幅では0.02〜0.04mmしか違いません。書き比べて「あまり変わらない」と感じる人が多いのは、感覚が鈍いのではなく、本当に差が小さいからなんですよ。
逆に0.3mmと0.4mmの差は大きめです。0.18〜0.20mmと0.26〜0.28mmですから、比率でいえば1.4倍ほど。細い側は数字の刻みが小さいぶん、体感の差ははっきり出ます。手帳用に0.4mmを使っていて、もう少し細くしたいと思ったときに0.3mmへ落とすのは、意味のある変更ということですね。
ゼブラは表に「筆記線幅は目安です(筆記対象・筆記条件により変わります)」と注記しています。ペンを立てる角度や筆圧、紙の種類でも変わるので、上の数字はあくまで比較のための物差しとして使ってください。

同じ0.5でも油性より太く出る理由
さて、ここからが本題です。同じ0.5mmでも、サラサクリップと油性ボールペンでは線の太さがまったく違います。理由はシンプルで、インクの種類が違えば、同じ大きさのボールでも出てくるインクの量が変わるから。これもゼブラが公式に説明していることで、ジェルインクはやわらかく、排出されるインク量が多いんですね。
どのくらい違うのか、さっきの表に油性ボールペンの数字を並べてみます。
| ボール径 | サラサクリップ(ジェル)の目安 | 油性ボールペンの目安 |
|---|---|---|
| 0.3mm | 0.18〜0.20mm | - |
| 0.4mm | 0.26〜0.28mm | 0.21〜0.23mm |
| 0.5mm | 0.32〜0.34mm | 0.23〜0.25mm |
| 0.7mm | 0.35〜0.38mm | 0.26〜0.29mm |
| 1.0mm | 0.38〜0.48mm | 0.30〜0.33mm |
並べてみると、なかなか衝撃的ですよね。サラサクリップの0.5mm(0.32〜0.34mm)は、油性ボールペンの1.0mm(0.30〜0.33mm)とほぼ同じ線幅なんです。会社で油性の0.5mmを使っている人が、同じ感覚でサラサクリップの0.5mmを買うと太く感じるのは当然で、実際には油性でいう1.0mm相当の線を引いているわけですから。
逆にいうと、油性の0.5mmと同じくらいの線幅がほしいなら、サラサクリップでは0.3mm(0.18〜0.20mm)か0.4mm(0.26〜0.28mm)を選ぶことになります。油性の0.5mmが0.23〜0.25mmですから、間に挟まる形ですね。私の感覚では0.4mmがいちばん近いかなと思います。
この「数字が同じでも太さが違う」という話は、他のインクでも同じです。参考までに、染料と顔料を混ぜたエマルジョンインクの0.5mmは0.23〜0.25mmで、油性とほぼ同じ。ジェルだけが飛び抜けて太いんですよ。だからペンを買い替えるときは、前のペンと同じ数字を選ぶのではなく、インクの種類が変わったかどうかを確かめるのが正解なんですね。

太さで変わるのは色数と替芯だけ
太さを変えると何が変わるのか、整理しておきましょう。線幅が変わるのは前の章で見たとおりですが、それ以外で変わるものは実はごく限られています。見落とされがちなのが選べるインク色の数で、これが太さによってまったく違うんですよ。
| ボール径 | 選べる単色の数 | 内訳 |
|---|---|---|
| 0.3mm | 20色 | 従来色のみ |
| 0.4mm | 20色 | 従来色のみ |
| 0.5mm | 48色 | 従来色20+ミルク8+ビンテージ10+デコシャイン10 |
| 0.7mm | 20色 | 従来色のみ |
| 1.0mm | 4色 | 黒・青・赤・ブルーブラック |
2026年8月時点で、公式の製品ページに並んでいる単色の品番を数えた結果です。限定色の追加や終売で色数は動きますから、数字そのものより「0.5mmだけが突出している」という関係のほうを見てください。ミルクカラー、ビンテージカラー、デコシャインカラーといった人気のカラーシリーズは、0.5mmにしか存在しません。色で選びたい人が0.5mm以外を選ぶと、選択肢が一気に20色まで狭まるということですね。
そして1.0mmは4色だけ。黒・青・赤・ブルーブラックという実務的な構成で、色を楽しむ用途はそもそも想定されていないと考えたほうがよさそうです。逆にいえば色を優先するなら0.5mm一択で、太さを優先するならその色は諦める、というトレードオフになります。ここ、買ってから気づくと地味に痛いところなので、先に知っておくといいですよ。
この非対称は、複数本セットの品ぞろえにもそのまま出ています。こちらも2026年8月時点で公式ページの品番を数えたものですが、0.5mmは3色・5色・10色の定番セットに加えて、ミルクカラーの3色・5色・8色、ビンテージカラーの5色が2種類、デコシャインカラーの5色・10色と、セットだけで10種類近くが並びます。一方で0.3mmと0.4mmは5色・10色の2種類、0.7mmは3色・5色・10色の3種類、1.0mmにいたってはセット品の設定自体がありません。まとめ買いで色をそろえたい人ほど、実質的に0.5mmへ誘導される構造になっているわけですね。
一方で、変わらないものもはっきりしています。価格(110円)、軸径11.0mm、全長141.0mm、重量10.9g、インクの種類(水性顔料)、クリップの構造。この6つはどの太さでも同じです。太さを変えても持ち心地や携帯性は変わらないので、そこは気にせず線幅と色だけで判断して大丈夫ということになります。ペンケースの中で何本か使い分けても、握った感触が変わらないというのは、地味ですが実用上けっこう効いてきますよ。

サラサの替芯は太さごとに違う
「サラサの替芯は太さが違うのか」というのは、よく検索されている疑問です。答えははっきり違います。サラサクリップの替芯はJF芯というシリーズで、0.3mmならJF-0.3芯、0.5mmならJF-0.5芯というように、太さごとに専用の型番が用意されています。値段はどれも1本88円(税抜80円)です。
JF芯のラインナップは、JF-0.3/JF-0.38/JF-0.4/JF-0.5/JF-0.7/JF-1.0の6種類。本体のボール径が5種類なのに替芯が6種類あるのは、0.38mmだけが後述するサラサナノ用として加わっているからです。買うときは、型番の数字が自分の本体の太さと一致しているかだけを見れば間違いません。
ここで大事なのは、公式が案内しているのは「その太さの本体には、その太さの替芯」という組み合わせだけだということ。0.5mmの本体にJF-0.7芯を入れられるかどうかは、公式ページに適合の記載がありません。私は実物で試していないので、入る・入らないは断定しないでおきます。太さを変えたいなら、替芯ではなく本体を買い直すのが確実ですね。1本110円ですから、そのほうが早くて安心です。
もうひとつ知っておくと得なのが、JF芯はサラサクリップ専用ではないということ。たとえばJF-0.5芯の公式ページには、サラサクリップ0.5とサラサグランドの適合替芯だと明記されています。つまり金属軸の上位モデルであるサラサグランドと、替え芯を共有できるんですね。書き味そのものは同じまま、軸だけを長く使えるものに変えるという選択肢があるわけです。
サラサグランドがどんなペンなのかは、サラサグランドのレビュー|2026年版全15色徹底比較で全色そろえて比較しているので、気になる方はのぞいてみてください。
替芯で選べる色は本体よりずっと少なめです。色を細かく選びたいなら、替芯を探すより本体を買うほうが選択肢は広くなりますよ。1本110円の本体に対して替芯が88円ですから、色を変えたいときは本体ごと買っても差額は22円。太さも色も、本体で調整するほうが結局は身軽です。

用途別に見るサラサクリップの太さの選び方
ここからは実践編です。数字の意味が分かったところで、じゃあ自分は何ミリを買えばいいのか。勉強、手帳、イラストといった用途ごとに、目安を出していきますね。あくまで私の考える目安なので、最後はあなたの筆圧と紙で微調整してください。
勉強とノートに向く太さの目安
ノートを取る用途なら、私は0.5mmを基準にするのがいいかなと思います。いちばん流通していて色も選び放題ですし、線幅0.32〜0.34mmはB罫(行幅6mm)のノートに普通サイズの字を書くのにちょうどいいバランスなんですよ。授業や会議でスピード重視で書くときも、ジェルの滑りのよさが効いてきます。
判断の物差しとしておすすめなのが、ノートの罫線幅から逆算する方法です。A罫(7mm)のようにゆったりした罫線に大きめの字を書くなら0.5mm、B罫(6mm)に小さめの字を詰めて書くなら0.4mm、C罫(5mm)や方眼の細かいマスなら0.3mm。これは昔から文具好きのあいだで使われている考え方で、私も実用的だと思っています。
罫線幅からの目安
- A罫(7mm)でゆったり書く → 0.5mm
- B罫(6mm)に標準的な字 → 0.5mm、小さめの字なら0.4mm
- C罫(5mm)・細かい方眼 → 0.3〜0.4mm
- 宛名・サイン・大きな字 → 0.7〜1.0mm
色分けをする人は、太さも一緒に設計するとノートが読みやすくなりますよ。私のおすすめは、本文を0.5mmの黒、補足やメモを0.4mmの別色にして、線の太さでも情報の階層をつけるやり方です。同じ0.5mmで色だけ分けると、離れて見たときにどれが本文か分かりにくいんですよね。太さが違えば、色が判別できない状況でも階層が残ります。
ちなみに0.7mmは、0.5mmから乗り換えても差を感じにくい太さです。表で見たとおり線幅の差は0.02〜0.04mmしかないので、「もう少し太くしたい」と思って0.7mmに変えると、期待したほど変わらなくて拍子抜けするかもしれません。はっきり太くしたいなら1.0mmまで飛ばすほうが体感の変化は大きいですよ。ただし1.0mmはインクの出る量が多く、紙によっては裏に響きやすくなるので、薄い紙のノートでは注意が必要です。
逆に、書く量が多い人ほど太さは控えめのほうが有利という面もあります。ジェルインクは油性に比べてインクの減りが早く、太いほど1本で書ける距離は短くなります。試験前にノートを何冊も埋めるような使い方だと、0.5mmと1.0mmでは交換の頻度がはっきり変わってきますね。

手帳や小さい文字には0.3か0.4
手帳のマスに予定を書き込む、単語帳に細かく書く、そういう用途なら0.3mmか0.4mmです。線幅でいうと0.18〜0.20mmと0.26〜0.28mm。文字が潰れずに読めるのはこのあたりからで、0.5mmで手帳に書くとインクが太くて字の中の空白が埋まってしまうんですよね。
実はこの領域、ゼブラ自身が力を入れているところでもあります。同社の発表によると、サラサクリップの売上のうち約3割を0.3〜0.4mmが占めているそうです。ゼブラは、手帳の小型化や、細かく書き込んだページをSNSで紹介する人が増えたことを背景に、極細タイプのボールペンの人気が高まっていると説明しています。0.5mmが標準という思い込みは、そろそろ見直してもいいのかもしれません。
ただし、細ければ細いほど良いわけではありません。これもメーカーが認めていることで、極細タイプは小さなペン先に筆圧が集中して紙にめり込み、書いているときにガリガリした感触が出やすいという課題があります(出典:ゼブラ株式会社 プレスリリース『サラサナノ 0.38』)。0.3mmを使って「なんか引っかかる」と感じたことがある人、それは製品の個体差ではなく極細ペン全般の性質だったというわけです。
この問題に対するゼブラの答えが、サラサナノという別シリーズです。折れないシャープペン「デルガード」で培った機構を応用した独自の「うるふわクッション」を搭載していて、筆圧に応じて中芯が上下に動くことで、ガリガリ感をスプリングが吸収してくれます。ボール径は0.3mmと0.38mmの2種類。1本220円と少し高くなりますが、極細でなめらかに書きたいならこちらが選択肢になります。両者の違いはサラサナノとサラサクリップの違いを用途別に完全比較ガイドで用途別に整理していますよ。
なお、0.3mmと0.4mmで迷ったら、私はまず0.4mmから試すのがいいかなと思います。ガリガリ感が出にくく、それでいて線幅は油性の0.5mmに近い。手帳のマスが極端に小さい場合や、すでに0.4mmで太いと感じている場合だけ0.3mmへ進む、という順番のほうが失敗が少ないですね。
迷っている時間のほうがもったいないので、まずは1本、手元で試してみるのが早いですよ。
速乾タイプのサラサドライを0.4mmの代わりに考えている方は、ひとつ注意を。サラサドライはサラサクリップとは別の製品で、インクも水性染料と異なります。さきほどの公式の一覧表でも、サラサドライは水性ジェル(染料)という別の区分に載っていて、0.4mmの線幅の目安は0.30〜0.32mm。サラサクリップの0.5mmに近い太さになります。速乾性を取ると線が太くなる、というトレードオフがあることは知っておいてください。

イラストで使う太さの決め方
サラサクリップでイラストを描く人も多いですよね。この用途は文字と違って、1本で決めるのではなく役割ごとに使い分けるのが基本だと思っています。線幅の数字がそのまま線の性格になるので、公式の数値が選ぶ根拠として使えるんですよ。
私の考える割り振りはこうです。まず下描きや細部の描き込みは0.3mm(0.18〜0.20mm)。まつげや髪の毛、小物のディテールのように、線が重なっても潰れてほしくない部分を担当させます。次に主線は0.4mmか0.5mm。0.4mmなら繊細に、0.5mmならはっきりと輪郭が出ます。そしてベタ塗りや太い縁取りは1.0mm(0.38〜0.48mm)。1.0mmはインクの出る量が多く、太い線を引いたり面を塗ったりする用途に使いやすい太さです。ただし実際の塗り上がりは筆圧や紙質でも変わるので、そこは試しながら詰めてくださいね。
ここで押さえておきたいのが、1.0mmだけ線幅の幅が広いという点です。他の太さが0.02〜0.03mmの範囲に収まっているのに対して、1.0mmは0.38〜0.48mmと0.1mmの開きがあります。筆圧やスピードで線の太さが変わりやすいということで、均一な線を引きたい製図的な用途には向きませんが、逆に強弱をつけたい絵の線には使いやすい性格ともいえます。
ここで注意したいのが色の制約です。前に触れたとおり1.0mmは黒・青・赤・ブルーブラックの4色しかないので、カラフルに塗り分ける用途には向きません。色数が必要なイラストなら、太さは0.5mmに寄せて色で表現するほうが現実的です。逆に黒一色の線画なら、0.3mm・0.5mm・1.0mmの3本を揃えるだけでかなり表現の幅が出ますよ。3本そろえても330円ですから、画材としてはかなり安く済みます。
なお、アルコールマーカーやコピックと組み合わせたときににじまないかどうかは、公式に明記された情報を見つけられませんでした。試すなら、まず端のほうで試し書きしてから本番に使うのが安全です。水に対しては後述のとおり強いインクですが、溶剤に対する挙動は別の話なので、ここは断定を避けておきますね。

耐水性は太さを変えても同じ
サラサクリップの耐水性が気になって調べている方もいると思います。結論から言うと、太さで耐水性を心配する必要はありません。0.3mmから1.0mmまで、5種類すべてが同じ水性顔料インクを使っているからです。ゼブラも、太さによって耐水性が違うという案内はしていません。
理由はインクにあります。サラサクリップのインクは水性顔料で、ゼブラも「耐水性に優れた水性顔料だから、濃くてにじまず、鮮やかな発色と豊富な色が楽しめます」と説明しています。顔料は水に溶けにくい粒子で色を出すため、乾いたあとは水に濡れても流れにくいんですね。同じ水性でも染料インクだと水に溶けて流れてしまうので、ここは大きな違いです。
ここ、混同されやすいポイントなので整理しておきますね。ゼブラは自社のボールペンインクを、油性/水性ジェル(顔料)/水性ジェル(染料)/エマルジョンの4種類に分類しています。そして水に強いかどうかを決めているのは、水性か油性かではなく、顔料か染料かのほうなんですよ。サラサクリップが属する水性ジェル(顔料)について、ゼブラは耐水性・耐光性に優れており公的文書などにも使用できると説明しています。一方、同じサラサの名前が付いていても速乾タイプのサラサドライは水性ジェル(染料)で、こちらは耐水性・耐光性はなく公的文書の利用には適さない、とはっきり書かれています。名前ではなくインクの表記で判断するのが確実ですね(出典:ゼブラ株式会社『ボールペンのインクにはどのような種類がありますか?』)。
| インクの区分 | 主な製品 | 耐水性 |
|---|---|---|
| 水性ジェル(顔料) | サラサクリップ・サラサナノ | 優れる(公的文書にも使用可) |
| 水性ジェル(染料) | サラサドライ | なし(公的文書には不向き) |
| 油性 | タプリクリップなど | 優れる |
実用面でいうと、宅配便の伝票、屋外で使う予定表、雨に当たる可能性のあるメモといった場面で強みが出ます。ノートに書いた文字が飲み物をこぼしたくらいで消えないのも、地味にありがたいところですよね。太さを細くしたから耐水性が落ちる、太いから滲むといった関係はありません。
ただし、乾く前に触ればこすれることがあります。ゼブラはジェルインクについてインク排出量が多いと説明していて、太いボール径ほど紙に載るインクの量は増えます。左利きの方や、書いた直後に手が紙面を通るクセのある方は、太さを上げるときに試し書きで乾き具合を確かめておくと安心ですよ。なお、太さごとの乾燥時間を比べた公式データは公開されていません。この意味では、耐水性と速乾性はまったく別の話として切り分けて考える必要がありますね。インクの性質そのものをもう少し詳しく知りたい方は、サラサクリップは油性か水性かどっち?乾かない等の疑問を解決にまとめています。
シャーペン付きは0.4と0.5だけ
サラサクリップにシャーペンが付いたタイプを探している方もいますよね。それがサラサクリップ2+Sという多機能ペンで、2色のジェルインクとシャープが1本にまとまったモデルです。価格は550円(税抜500円)。
ただし太さについては制約があります。選べるボール径は0.4mmと0.5mmの2種類だけで、0.3mm・0.7mm・1.0mmはありません。単色のサラサクリップと同じ感覚で太さを選ぼうとすると、選択肢が半分以下になるということですね。細さや太さにこだわりがある人は、多機能ペンではなく単色を複数持つほうが希望に近づけます。
もうひとつ注意したいのが替芯です。サラサクリップ2+Sの替芯はJK芯という別系統で、単色サラサクリップで使われるJF芯とは公式の適合商品が分かれています。JK-0.4芯、JK-0.5芯というように、こちらも太さごとに専用の替芯が用意されています。ゼブラが2+Sの適合替芯として案内しているのはJK芯だけなので、買うときは型番の頭がJKかJFかを必ず確認してください。
ややこしいのは、インク自体は同じだという点です。ゼブラはJK芯についてサラサクリップと同じインクを使っていると説明しています。つまり書き味と発色は同じで、芯の形だけが違う。だから「多機能ペンにしたら書き味が変わった」ということは基本的に起きませんが、その代わり「同じインクなのに替芯は共通ではない」という状態になっているわけですね。
なお本体のサイズも変わります。単色が軸径11.0mm・重量10.9gなのに対し、2+Sは軸径12.4mm・重量13.3g。3機能を詰め込んでいるぶん、当然ながら少し太くて重くなります。「太さ」を軸の太さの意味で気にしている方は、ここも比較対象になりますね。ゼブラは独自のサイドスプリング機構で従来品より8%スリム化したと説明していますが、それでも単色よりは太い、という関係です。
サラサクリップの太さ選びのまとめ
最後に整理しておきますね。サラサクリップの太さ選びで大事なのは、数字を見るのをやめて、用途から逆算することです。ペンに書かれた0.5という数字はボール径であって線幅ではなく、ジェルインクは同じボール径でも油性より太い線が出る。この一点さえ押さえておけば、選び方はぶれません。
目安をもう一度まとめると、手帳や小さい文字なら0.3〜0.4mm、B罫のノートや日常の筆記なら0.5mm、宛名やサインのように大きな字を書くなら0.7〜1.0mm。油性ボールペンの0.5mmと同じ感覚で書きたいなら、サラサクリップでは0.4mmを選ぶのが近道です。色を楽しみたいなら0.5mm、実務でくっきり書きたいなら1.0mm、というふうに色数の制約も一緒に考えると失敗しません。
| 使う場面 | おすすめの太さ | 理由 |
|---|---|---|
| 手帳・単語帳・細かい方眼 | 0.3〜0.4mm | 線幅0.18〜0.28mmで字が潰れない |
| ノート・日常の筆記 | 0.5mm | B罫に最適。色も48色から選べる |
| 宛名・サイン・大きな字 | 0.7〜1.0mm | はっきり見せたい場面向き |
| 油性0.5mmと同じ感覚 | 0.4mm | 線幅が0.26〜0.28mmで最も近い |
| 色を優先したい | 0.5mm | カラーシリーズは0.5mmのみ |
そして太さを変えても、価格も重さも耐水性も変わりません。変わるのは線幅と選べる色数、そして替芯の型番だけ。1本110円で試せるのですから、迷ったら2本買って書き比べてしまうのが結局いちばん早いかなと思います。私自身、そうやって手元の1軍を入れ替えてきました。書き比べるときは、ふだん使っているノートに、ふだんの速さで数行書いてみるのがコツですよ。試し書き用の紙にゆっくり丸を描いても、実際の使い心地はなかなか分かりませんからね。
気になる太さが2つあるなら、まとめて手に入れて並べて書いてみてください。
なお、ここで挙げた価格や色数、線幅の数値は2026年8月時点で公表されているものをもとにした目安です。ラインナップや価格は変わることがありますし、実際の線の太さは筆圧・持ち方・紙質によっても変化します。購入前の正確な情報は公式サイトをご確認ください。どうしても判断に迷うときは、文具店の試し書きコーナーで実際に書いてみるのがいちばん確実ですよ。
