製本テープの貼り方|厚さ別の幅選びから契印・割印の位置まで

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白木の机に置かれた製本テープのロールと、ホッチキスで留められた書類

契約書や提出書類をまとめようとして、製本テープの貼り方で手が止まっていませんか。

「やり方は分かるけどコツがつかめない」「使い方はこれで合ってる?」「厚い書類だとどうすればいいの」「割印ってどこに押すの」——製本テープって、いざ使おうとすると意外と迷うポイントが多いんですよね。きれいな貼り方を調べても、角の処理や三角に折る部分でつまずいたり、ホッチキスなしでも大丈夫なのか不安になったり、手元にテープが無くて代用できないか探したり。悩みどころは人によってバラバラだったりします。

私も文房具ブログを運営していて、オフィス文具まわりの相談をよく受けるのですが、製本テープはシンプルな道具なのに「どこに貼るか」を間違えると台無しになりやすい、ちょっと厄介なアイテムだと思っています。この記事では、準備から仕上げまでの手順に加えて、書類の厚さに合わせたテープ幅の選び方、そして製本テープを使う一番の目的でもある契印・割印の位置まで、順を追って整理していきます。

  • 製本テープを貼る手順と、失敗しないための準備の仕方
  • 書類の厚さに合わせたテープ幅・長さの選び方
  • 角を三角に折り込む処理が、見た目以上に大事な理由
  • 契印・割印を押す位置と、ホッチキスなし・代用品の可否
目次

製本テープの貼り方|準備から仕上げまでの手順

まずは基本の貼り方から確認していきます。用意するものから、仕上げの一歩手前までを順番に見ていきますね。

準備するものとホッチキスで仮止めする位置

製本テープを貼る前に、まず書類をホッチキスで仮止めします。用意するものはシンプルで、契約書などの書類・製本テープ・ホッチキス・ハサミの4つがあれば十分です。定規があると、貼る位置の目印をつけるときに便利です。カッターを使う場合は、テープの端をまっすぐ切りたいときに重宝します。

書類はページの順番がずれていないかを確認してから、左端(横書きの場合)を上下2か所でホチキス留めします。紙の端から5mmほど内側を目安にすると、ホチキスが外れにくくなります。端ぎりぎりに留めてしまうと、紙が薄く残った部分から破れてホッチキスが抜けてしまうことがあるので、この5mmという余裕は地味に大事なポイントです。書類の枚数が多くて厚みがある場合は、上部・中央・下部の3か所で留めておくと、あとで製本テープを貼るときにページがずれにくくなります。

縦書きの書類の場合は、右端を留めるのが一般的です。どちらの向きにせよ、ホッチキスの針が製本テープの下に完全に隠れる位置に打つのが基本になります。針が製本テープからはみ出していると、見た目が悪いだけでなく、針の先端で手を切ってしまう危険もあるので注意してください。

折り込みまで想定している場合は、左端の文字が製本テープで隠れないよう、あらかじめ3cmほどの余白を確保して印刷しておくのがおすすめです。ここを忘れると、製本テープを貼った段階で文字が読めなくなっていることに気づき、印刷し直しになってしまうこともあります。私の感覚としては、契約書のテンプレートを作る段階で、あらかじめ左に余白を取ったレイアウトにしておくと、毎回気にしなくて済むので楽かなと思います。

ちなみに、ホッチキスをどこに留めるかという話自体、実はビジネスマナーとして細かいルールが語られることがあります。私が別の記事で位置の考え方をまとめているので、留める場所に迷ったらあわせて見てみてください。

【完全版】ホッチキス 止め位置まとめ ビジネスマナーの正解は?では、上下2か所か3か所か、左上か左端かといった判断基準を整理しています。

学習机で書類の左端をホッチキスで留めている学生の後ろ姿

書類の厚さでテープ幅を選ぶ目安

製本テープには、主に25mm・35mm・50mm・100mmといった幅のバリエーションがあります。ここを書類の厚さに合わせずに選んでしまうと、貼っている途中でテープが足りなくなったり、逆に余りすぎて不格好になったりするので、最初に押さえておきたいポイントです。

テープ幅対応する書類の厚さの目安主な用途のイメージ
25mm〜2mm程度(数枚〜15枚くらい)一般的な契約書、簡易な申請書類
35mm〜5mm程度(一般的な契約書・資料)やや枚数の多い契約書、報告書
50mm〜20mm程度(枚数の多い資料)分厚い提案書、まとまった量の資料
100mm〜70mm程度(かなり厚い冊子・製本物)製本物、長期保存用の厚い冊子

私の考えとしては、迷ったら一段階広めの幅を選んでおくのが無難かなと思います。ホッチキスで留めた分の厚みも含めて包み込むように貼るので、書類の背の厚さぴったりの幅を選んでしまうと、テープの左右の余裕がほとんど無くなってしまうんですよね。特に厚みのある書類だと、幅ぎりぎりのテープでは表と裏にしっかり貼りつかず、端がめくれやすくなってしまいます。

契約書のように朱肉での押印を想定する場合は、ニチバンやコクヨが出している「契約書契印用」「契約書割印用」といった表記のあるタイプを選ぶと、朱肉がのりやすく印影がきれいに残りやすいです。例えばニチバンの製本テープ〈再生紙〉契約書割印用は、朱肉がのりやすい再生紙を基材に使っていて、はく離紙に切れ目が入っているため位置合わせもしやすいと公式サイトで説明されています(出典:ニチバン株式会社「製本テープ〈再生紙〉契約書割印用」)。一般的な布テープやクラフトテープだと朱肉がにじみやすいことがあるので、契約書を扱うなら契印・割印用と明記されたタイプを選んでおくと安心です。あくまで目安なので、実際に選ぶ際は書類の枚数を数えたうえで、少し余裕のある幅を選ぶようにしてください。

手元に契印・割印用の製本テープを常備しておくと、急に契約書を製本することになったときも慌てずに済みますよ。

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太さの異なる3本の製本テープが机の上に並べられている様子

テープの長さの決め方と余裕分

幅を決めたら、次は長さです。A4サイズの契約書なら、用紙の縦の長さ(297mm)に対して、書類の厚みの分だけ長めにカットするのがポイントになります。

目安としては、A4サイズの縦の長さ297mmに、書類の厚みの2倍程度をプラスした長さでカットすると、表と裏の両面に貼ったときに過不足が出にくくなります。例えば厚みが15mm程度の書類であれば、297mm+15mm×2=327mmくらいが目安です。厚みが5mmの薄い書類なら297mm+10mm=307mmくらい、厚みが30mmとかなり分厚い書類なら297mm+60mm=357mmくらいが目安になります。あくまで目安の考え方なので、実際にカットする前に書類に軽くあてて長さを確認しておくと安心です。

短く切りすぎてしまうと、貼っている途中で「あと少し足りない」という事態になりやすいので、少し長めに切っておいて、最後に余った部分をハサミやカッターで整える方が失敗しにくいと思います。私の感覚としては、多少余らせるくらいでちょうどいいかなという印象です。逆に、長すぎるテープを最初から使い切ろうとすると、余った部分をどこかで無理に折り込むことになって、かえってシワの原因になることもあります。

カットタイプの製本テープを使う場合は、この長さの計算をする必要がありません。A4サイズにあらかじめカットされているものが多いので、書類の厚みが薄めであれば、そのまま使えることが多いです。ただし、折り込みができるかどうかは商品によって差があるので、厚みのある書類に使う予定なら、購入前に折り込み対応かどうかをパッケージで確認しておくといいと思います。

B5やA3など、A4以外のサイズの書類を製本する場合は、まず書類の縦方向の長さを実際に測ることから始めてください。B5サイズなら縦257mm、A3サイズなら縦420mmが基準になるので、そこに書類の厚みの2倍程度を足すという考え方自体はA4のときと変わりません。定規で書類の縁から縁まで測ってから計算すると、印刷用紙の規格を思い出す手間が省けて確実です。長さを迷ったときは、多めに切って余らせる方向で判断するのが、失敗を防ぐいちばんシンプルなコツだと思います。

カフェの窓際で定規を当てて製本テープの長さを測る手元

剥離紙は半分だけ剥がして貼るコツ

製本テープの多くは、裏面の剥離紙の中央あたりに切れ目が入っています。ここできれいな貼り方のコツになるのが、剥離紙を一気に全部剥がさないという点です。

最初から剥離紙を全部剥がしてしまうと、テープの粘着面がすぐに書類にくっついてしまい、位置がずれても直しにくくなります。まずは片側の剥離紙だけを剥がして、書類の背(ホッチキスで留めた部分)に位置を合わせながら貼り付け、残りの剥離紙は貼りながら少しずつ剥がしていくのがコツです。

貼るときは、定規などで背の位置に軽く目印をつけておくと、まっすぐ貼りやすくなります。書類の厚みの中心にテープの中心が来るように意識すると、表裏のバランスが取りやすいです。

ロールタイプの製本テープは巻きぐせが残っていることが多いので、カットした後に縦半分に折り目をつけておくと、テープが丸まらずに扱いやすくなります。巻きぐせを直さずにそのまま貼ろうとすると、テープが浮いたり、片側だけ先に貼りついて左右がずれたりしやすいので、面倒でもひと手間かけておくのがおすすめです。時間に余裕があれば、カットした後に厚めの本などを軽く乗せてしばらく置いておくと、さらに平らになりやすいです。

カットタイプのテープは巻きぐせがない分、この工程を省略できるのがメリットです。ただし、あらかじめ決まった長さにカットされているものが多いので、厚みのある書類だと長さが足りなくなることがある点には注意してください。

剥離紙を剥がすときに指先が滑ってうまく摘まめない場合は、テープの角をカッターの刃先やピンセットで少し浮かせてから剥がすとスムーズです。爪で無理にこそげ取ろうとすると、粘着面に指紋の油分が付いてしまい、その部分だけ貼りつきが弱くなることがあるので、できるだけ粘着面には直接触れないように扱うのがコツです。剥がした剥離紙は、貼り終わるまで捨てずに手元に置いておくと、万が一貼り直しが必要になったときに、粘着面を保護する用途で再利用できます。

図書室の机で製本テープの剥離紙を半分だけ剥がしている手元

片面を貼って折り込みもう片面へ

片側の剥離紙を剥がして書類の背に貼り付けたら、テープがたるまないように軽く引きながら、まっすぐ貼り進めます。このとき、指で強くこすりすぎると空気が入ってシワになりやすいので、真上からやさしく押さえるように貼っていくのがおすすめです。

表側(または裏側)に貼り終えたら、上下に余っている部分を折り込んで、もう片方の面にもテープを回し込みます。残りの剥離紙を剥がしながら、中央から外側に向かって貼っていくと、空気が入りにくくシワになりにくいです。片側だけをこすってしまうと、反対側にシワが寄ってしまうことがあるので、左右均等に力をかけながら進めるのがポイントです。

もしシワや浮きができてしまった場合は、無理に一方向へこすらず、シワの様子を見ながら真上から軽く押さえ直すようにしてください。一方向にばかり力をかけると、シワが逆側に移動するだけで解消しないことがあります。ホッチキスの針がある部分は特に段差ができやすいので、その周辺は内側から外側に向かって、指の腹でやさしくなじませるように貼るときれいに仕上がりやすいです。

最後に全体を軽くこすって気泡を抜き、両端のはみ出た部分をカットすれば、基本の貼り方は完成です。カットする際は、ハサミよりも定規を当ててカッターで切る方が、まっすぐで仕上がりがきれいになることが多いです。

複数枚の書類を一度に製本する場合、貼り終えた直後は粘着剤がまだ完全に定着していないことがあります。貼ってすぐに書類を強く曲げたり、重ねて上から重しを乗せたりすると、テープの端が浮いてくることがあるので、貼り終えてから数分は平らな状態のまま置いておくと、粘着がしっかり定着しやすくなります。急いでいるときほど、この「少し待つ」というひと手間を省略しがちなので、私自身も意識するようにしています。

屋外のベンチで製本テープの端を折り込んでいる手元

三角折りが必要な理由

角の処理でよく出てくる「三角に切り込みを入れて折り込む」という工程、これは見た目をきれいにするための飾りではなく、テープの角が浮いて剥がれたり、そこから綴じが抜けたりするのを防ぐための処理だと私は考えています。

製本テープの上下の端は、そのまま折り込まずに貼ると、角の部分がめくれやすくなります。特に持ち運びや保管を繰り返す書類は、角から少しずつ剥がれていくことが多いんですよね。上下の端に背のラインに沿って小さく切り込みを入れ、内側に折り込んでからしっかり密着させることで、角まできちんとテープが張り付き、剥がれにくくなります。

具体的には、テープの端を山型やV字型に少しカットしてから折り込むと、角の部分に余分な厚みが重ならず、すっきり収まります。切り込みを入れずに無理やり折り込もうとすると、角の部分だけテープが二重三重に重なって膨らんでしまい、そこが引っかかりの原因になって余計に剥がれやすくなることもあります。

折り込みをしなくても、契約の効力そのものには影響しないとされています。短期間の保管や枚数の少ない書類であれば、折り込みなしでも十分に製本としての役割は果たせます。実際、メーカーの説明書きの中には、折り込みを前提としない貼り方で紹介されているものもあります。ただ私としては、長期保管が前提の書類や、何度も見返す可能性がある書類については、手間はそれほど変わらないので、折り込みまでやっておいた方が安心かなと思います。角がめくれてくると、そこから手で引っ張って全体が剥がれてしまうリスクもゼロではないので、大事な書類ほど丁寧に処理しておく価値はあると思います。

折り込みをするかどうかで迷ったときは、その書類が「一度出して終わりか」「何度も見返す・持ち歩くか」で判断するのも一つの手だと思います。役所や取引先に提出して控えを保管するだけの書類なら、折り込みなしでも困ることは少ないはずです。逆に、社内で長期間ファイリングして繰り返し参照する契約書や、頻繁に持ち出す書類であれば、角からのめくれが積み重なりやすいので、最初から折り込みまでやっておくほうが結果的に手間が少なくて済むと感じています。

製本テープの角を三角に折り込んだ部分のクローズアップ

製本テープの貼り方における契印・割印の注意点

ここからは、製本テープを貼る一番の目的でもある「契印・割印」の話をしていきます。実はこの2つ、混同されがちなんですが、正確には役割が違うんですよね。

製本テープに押すのは契印か割印か

製本テープの継ぎ目に押す印は、正確には「契印(けいいん)」と呼ばれるものです。一方「割印」は、正本と副本のように、2つ以上の独立した文書にまたがって押す印のことを指します。製本テープで検索すると「割印」という言葉が多く使われていますが、多くの場合は契印のことを指していると考えていいと思います。

この2つが混同されやすい理由は、どちらも「複数のものにまたがって印を押す」という見た目が似ているからだと思います。契印は同一文書の中のページとページ(またはページと製本テープ)をつなぐためのもので、割印は別々の文書同士が関連していることを示すためのもの、という違いを押さえておくと整理しやすいです。例えば契約書を2部(甲用・乙用)作成したときに、その2部にまたがって押すのが割印、1部の契約書の中の複数ページをつなぐために押すのが契印、というイメージです。

契印は、契約書などのページが複数枚にわたる場合に、それらが一つの文書であることを示し、ページの差し替えや抜き取りを防ぐ目的で押されるものです。ホッチキス留めだけの書類だと、すべての見開きに契印を押す必要がありますが、製本テープでまとめていれば、テープと書類の境目にまたがるように押すだけで済みます。これが、製本テープを使う一番の実務的なメリットだと私は思っています。

ページ数が多い契約書ほど、この差は大きくなります。仮に10枚の契約書があった場合、製本していなければ9か所の見開きすべてに契印が必要になりますが、製本していれば1〜2か所で済みます。押印の手間だけでなく、押し忘れのリスクを減らせるという意味でも、製本のメリットは大きいと感じています。

契約書の契印・割印を押す位置とコツ

契印を押す位置は、製本テープと書類の紙にまたがるようにするのが基本です。契約の署名や記名押印のときに使ったものと同じ印を使うのが一般的とされています。表紙側だけに押す場合と、表紙・裏表紙の両方に押す場合とがあり、どちらが正しいというより、提出先や当事者間の慣行によって扱いが分かれる部分だと考えておくといいと思います。

製本テープの色は、白など薄い色を選んでおくと、朱肉の印影がはっきり見えやすくなります。契印は「押せる状態を作ること」自体が製本テープを貼る目的の一つなので、契印を押す位置に余白が確保できているかを、貼り終えたあとに一度確認しておくと安心です。テープの端ギリギリに押そうとすると、紙の部分にかかる面積が小さくなりすぎて、印影がはっきり残らないこともあります。

朱肉や訂正印も、契約書まわりで地味に切らしやすい消耗品なので、この機会に手元を確認しておくと安心です。

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複数人が押印する契約書の場合は、契約当事者全員分の印を、同じ場所にまとめて押すのが一般的です。押す順番に厳密な決まりがあるわけではありませんが、スペースが限られるので、あらかじめ何人分の印が必要かを確認してから、余白の取り方を考えておくとスムーズです。

なお、契印に法律上の押印義務があるかどうかは、書類の種類や提出先によって扱いが異なります。一般的な契約書の契印は、改ざん防止のための実務上の慣行という位置づけで説明されることが多く、押していないからといって直ちに契約が無効になるわけではないとされています。参考として、商業・法人登記の申請書については、申請書が2枚以上になる場合に各用紙のつづり目へ契印が必要と定められています(出典:法務省「申請書、各添付書面等の押印の要否について(商業・法人登記)」)。ただしこれは商業登記の申請書に関する規定であり、一般的な契約書に契印を法律で義務づけているものではない点には注意してください。重要な契約書や登記関係の書類については、正確な取り扱いを、提出先や専門家(弁護士・司法書士など)に確認することをおすすめします。

製本テープと書類にまたがる位置に朱肉で印を押す手元

ホッチキスなしで製本テープだけは可能か

「ホッチキスなしで製本テープだけで留められないか」と考える方もいると思います。結論としては、製本テープだけでも貼り付け自体は可能ですが、私としてはホッチキスでの仮止めを先にしておくことをおすすめします。

ホッチキスで仮止めしていない状態だと、テープを貼っている最中にページがずれやすく、まっすぐ貼るのが難しくなります。特に枚数が多い書類ほど、この差が出やすいです。仮止めのホッチキスは製本テープの下に隠れてしまうので、見た目に影響することもありません。むしろホッチキスがあることで、テープを貼っている間、書類が一つの塊としてまとまってくれるので、位置合わせの作業自体がぐっと楽になります。

どうしてもホッチキスを使いたくない場合は、テープを使わずに紙の帯で綴じる「袋とじ」や、紐で綴じる「こより綴じ」といった方法もあります。袋とじは、中心部分だけを長く残した紙を帯状にカットし、ホッチキスの代わりにのりで書類を挟み込むように綴じる方法です。こより綴じは、書類にあけた穴に紙をこよりのように細くねじったもの、または紐を通して結ぶ方法で、和とじの契約書などで見かけることがあります。

ただしこれらは製本テープを使う方法とは手順がかなり異なり、必要な道具も変わってきます。のりや専用の紙、穴あけパンチなどを別途用意する必要があるので、手間としては製本テープより増えることが多いです。この記事では製本テープを使う前提での貼り方を中心にお伝えしていますが、ホッチキスの金属針を書類に残したくないという事情がある場合は、こうした代替方法も選択肢に入れてみてください。

なお、ホッチキスの針を後から抜きたい場合は、針取り(ホッチキスリムーバー)を使うと、紙を傷めにくく針だけを外せます。製本テープを貼ってしまった後だと、テープを剥がす際に紙の繊維ごと持っていかれてしまうことが多いので、針を抜く可能性がある書類は、製本テープを貼る前の段階で仮止めの方法を見直しておいたほうが安全です。

製本テープが手元にないときの代用

「製本テープが手元にない」というときに、マスキングテープや布テープ、透明の梱包テープなどで代用できないか気になる方もいると思います。

一時的な対応としては使えなくはないものの、これらのテープは製本テープに比べて粘着力や耐久性が弱いことが多く、長期保管が前提の書類には不向きとされています。マスキングテープは紙製で扱いやすい反面、粘着力がもともと控えめに作られているため、時間が経つと端から浮いてきやすい傾向があります。布テープや梱包テープは粘着力自体は強いのですが、表面がツルツルしていたり厚みがありすぎたりして、朱肉での押印には向いていないことが多いです。

特に契印を押すことを考えると、朱肉がにじみやすかったり、テープ表面が印影に向いていなかったりすることもあるので、契約書のように保管期間が長い書類は、できるだけ契約書契印用として作られた製本テープを使うのが無難だと思います。どうしても手元にテープが無く、急ぎで仮の対応が必要な場合に限って、他のテープで代用し、後日あらためて正規の製本テープで貼り直す、というのも一つの考え方かなと思います。

代用テープで一時的に留めた場合は、後から正規の製本テープに貼り替えることを前提に、あまり強くこすらず仮止め程度にとどめておくのがおすすめです。しっかり貼り込んでしまうと、後で剥がすときに紙が破れたり、糊残りが表面に出てしまったりすることがあります。社内で回覧するだけの下書きなど、朱肉を使わない書類であれば、マスキングテープ程度の粘着力でも実用上は困らないことが多いです。用途によって求められる耐久性が変わってくるので、「誰が」「どのくらいの期間」扱う書類なのかを基準に、代用でよいかどうかを判断するとよいと思います。

ちなみに、100円ショップの製本テープが実際に使えるかどうかは、種類によって差があります。私が別の記事でダイソーの製本テープを2種類に分けて、袋とじに使えるタイプと使えないタイプを整理しているので、コストを抑えたい場合はそちらも参考にしてみてください。

製本テープはダイソーに2種類|袋とじに使えない方がありますでは、購入前に確認しておきたいポイントをまとめています。

製本テープとマスキングテープ、布テープが並べて置かれている様子

まとめ:製本テープの貼り方で失敗しないために

製本テープの貼り方は、剥離紙を半分だけ剥がす、中央から外側に向けて貼る、といった基本のコツを押さえれば、そこまで難しい作業ではありません。ただ私としては、まっすぐきれいに貼ることよりも、「どこに貼るか」「契印を押せる状態になっているか」のほうが、契約書の製本では大事なポイントだと考えています。

あらためて手順を振り返ると、①ホッチキスで仮止めする、②書類の厚さに合わせてテープ幅を選ぶ、③厚みに応じて余裕を持たせた長さにカットする、④剥離紙を半分だけ剥がして位置を合わせる、⑤片面を貼ってから折り込み、もう片面へ回す、⑥角は三角に折り込んで剥がれを防ぐ、という流れになります。この一連の流れの中でも、特に厚さに合わせた幅選びと、角の折り込みの2つは、仕上がりの安定感に直結するので意識しておくといいと思います。

書類の厚さに合わせてテープ幅を選び、角は三角に折り込んで剥がれを防ぎ、契印・割印を押す余白を確保する。この3点を意識しておけば、見た目もきれいで、実務的にも問題のない製本になるはずです。あくまで一般的な目安としての手順なので、提出先ごとに細かいルールが決まっている場合は、そちらの指示を優先して確認するようにしてください。特に法律的な位置づけが関わる書類については、この記事の内容を参考にしつつも、最終的な判断は専門家や提出先の窓口に確認しながら進めてもらえたらと思います。

最後に、製本テープは一度しっかり貼ってしまうと、きれいに剥がしてやり直すのが難しい道具でもあります。失敗すると印刷からやり直しになってしまうこともあるので、初めて製本する場合や枚数の多い重要書類を扱う場合は、いきなり本番の書類で試すのではなく、不要な紙を使って一度練習しておくと、当日落ち着いて作業できると思います。この記事で紹介した手順とコツを押さえておけば、製本テープの貼り方で迷う場面はぐっと減るはずなので、ぜひ参考にしてみてください。

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