書類がどんどん増えて、ホッチキスの針がもう貫通しない。請求書の控えや出席簿、保存しておく資料の束を前に、どう綴じればいいのか手が止まっていませんか。
分厚い書類の綴じ方を調べると、紐で綴じる方法、こよりで書類を綴じる方法、綴り紐の結び方、書類を束ねる方法など、いろいろな情報が出てきます。ただ、結び方だけ、道具の違いだけ、とバラバラに紹介されていることが多く、「結局、何枚から紐にして、穴はどう開けて、どう結べばいいの?」がひとつにつながりにくいんですよね。
私の考えとしては、分厚い書類は穴を開けて綴じ紐で綴じるのが基本です。切り替えの目安は、普通のホッチキスのとじ枚数である20枚を超えたとき。結び方は、あとで書類を足したり抜いたりするかどうかで決めます。紐でも扱いにくい量になったら、パイプ式のファイルに移すのが次の一手になります。
この記事では、分厚い書類を紐で綴じる手順を、穴あけから結び方までひと続きでまとめました。メーカーが公表しているとじ枚数や穴あけ枚数をもとに、どこで方法を切り替えるかも数字で示しています。
- ホッチキスから紐に切り替える枚数の目安
- 厚い束に穴を開けるときの分け方と揃え方
- 保存用と差し替え用で変える紐の結び方
- 綴じ紐・こより・パイプ式ファイルの使い分け
分厚い書類の綴じ方は紐|20枚を超えたら穴と紐で
まずは手順そのものを押さえましょう。ホッチキスをやめる枚数の目安、穴の開け方と揃え方、紐の通し方、そして書類の使い方に合わせた2通りの結び方を、上から順番に並べています。この流れどおりに進めれば、厚い束でもばらけずにまとまります。
ホッチキスから紐に切り替える目安は20枚
机の引き出しに入っている一般的なホッチキスは、多くが10号針を使うタイプです。マックスの公式サイトを見ると、HD-10DやHD-10NXといった定番の10号ホッチキスはとじ枚数20枚と表示されています(出典:マックス「ハンディ10号シリーズ」)。この20枚は、64g/m²のコピー用紙をとじたときの目安です。
つまり、普通のホッチキスで綴じられるのはコピー用紙20枚まで。コピー用紙1枚の厚さは約0.09mmなので、20枚で厚さはおよそ1.8mmです。これを超えると、針の足が紙を貫通しきれず、裏で曲がらなかったり、斜めに刺さったりしやすくなります。20枚を超えたら紐に切り替えるのが、いちばんわかりやすい境目かなと思います。
同じ10号でも、少し上のモデルはあります。マックスのHD-10DFLは、とじ裏が平らになるフラットクリンチを搭載したタイプで、とじ枚数は26枚。とはいえ、20枚から26枚へ増える程度なので、厚い書類の悩みを根本から解決するほどではありません。
もちろん、ホッチキスにも厚い書類用のものがあります。
| 種類(マックス) | 代表機種 | とじ枚数 | 希望小売価格(税抜) |
|---|---|---|---|
| ハンディ10号 | HD-10D など | 20枚 | 750円 |
| 中型3号 | HD-3DEL | 2〜30枚(No.3-1M・3M) 30〜75枚(No.3-10mm) | 7,700円 |
| 大型12号 | HD-12N/13 | 30〜110枚 | 10,000円 |
| 大型12号 | HD-12N/24 | 50〜240枚 | 30,000円 |
中型・大型は針を替えるととじ枚数が変わる仕組みで、厚い書類も一発で留められます。ただ、価格を見ると家庭で1台買うには少し構える金額ですよね。毎日のように厚い書類を綴じる職場なら検討の価値はありますが、たまに出てくる厚い書類なら、2穴パンチと綴じ紐のほうが手軽です。
針の号数ととじ枚数の関係をもう少し詳しく知りたい方は、ホッチキスの針の入れ方と号数の調べ方でまとめています。また、ホッチキスで綴じる場合の止める位置については、ホッチキスの止め位置のまとめを見てください。この記事では、ホッチキスで留まらなくなった先の話に絞ります。
とじ枚数はメーカーが示す目安で、厚紙の表紙を付けたり、紙が厚かったりすると綴じられる枚数は少なくなります。マックスも「紙種や綴じ方によって、綴じられる枚数が少なくなることがある」と注記しています。

分厚い書類の穴はパンチの枚数ずつ分けて開ける
紐で綴じるには、まず書類に穴を開けます。ここで多くの人がつまずくのが、手持ちの2穴パンチで厚い束を一度に開けようとして、ハンドルが下がりきらないこと。パンチにも、一度に開けられる枚数の上限があるからです。
カール事務器の2穴パンチを例にすると、コンパクトなCPN-10は10枚、CPN-18は18枚、オフィス向けのSD-85でも50枚が上限です。これより多い枚数を一度に開けたいなら、強力パンチのHD-410N(110枚)のような専用機が必要になります。いずれもコピー用紙64g/m²(約0.09mm)での枚数です(出典:カール事務器「2穴パンチ SD-85」)。
| 機種(カール事務器) | 種類 | 一度に開けられる枚数 | 本体価格(税抜) |
|---|---|---|---|
| CPN-10 | 2穴パンチ | 10枚(約0.9mm) | - |
| CPN-18 | 2穴パンチ | 18枚(約1.62mm) | - |
| SD-85 | 2穴パンチ | 50枚(約4.5mm) | 3,200円 |
| HD-410N | 強力パンチ | 110枚(約10mm) | 14,800円 |
家庭や職場にあるパンチで分厚い書類に穴を開けるなら、パンチの上限枚数ずつ束を分けて開けるのが基本です。たとえば上限18枚のパンチで60枚を開けるなら、15枚ずつ4回に分ける、というイメージですね。上限ぎりぎりまで詰め込むより、少し余裕を持たせた枚数のほうがハンドルを押し切りやすく、穴の縁もきれいに抜けます。
表紙に厚紙を使う場合は、表紙だけ別に開けるのが無難です。厚紙はコピー用紙よりずっと厚いので、書類と一緒に入れると上限枚数に届かないうちにハンドルが重くなります。
パンチに入れる前に、ホッチキスの針やゼムクリップが残っていないかも確認しましょう。カール事務器は、2穴パンチは紙専用で、金属は必ず取り除いてから使うよう注意しています。前にホッチキスで留めていた書類を紐に綴じ直すときは、とくに見落としやすいポイントです。

分けて開けた穴の位置を揃えるコツ
束を分けて穴を開けると、今度は穴の位置がずれる問題が出てきます。何回かに分けて開けた穴が少しずつずれていると、紐が途中で引っかかって通らなくなるんですよね。厚い束ほどずれが積み重なるので、ここは手を抜けないところです。
位置を揃えるいちばんの味方は、パンチに付いているサイドゲージです。紙の端を当てる位置を決めるガイドで、A4ならA4の目盛りに合わせておけば、紙の中心に穴が来るようになっています。カール事務器のSD-85も「用紙のセンター合わせが簡単なサイドゲージ付」とうたっています。最初の束を開けたら、ゲージを動かさないまま次の束を開ける。これだけで、ずれはかなり防げます。
もうひとつは、紙の端をきっちり揃えてからパンチに差し込むことです。机の上で束の天地と綴じる側の辺をトントンと揃えてから、ゲージに突き当たるまで奥へ入れます。斜めに入ったまま開けると、その束だけ穴が傾いてしまいます。
順番も大事です。私なら、書類を最初から最後まで順番どおりに積んだまま、上から決めた枚数ずつ取って開け、開け終わった束は裏返さずに別の場所へ順に重ねていきます。向きや順番が入れ替わると、穴の位置が左右逆になったり、ページ順が崩れたりするからです。
開け終わったら、すべての束を重ねて穴が通っているか確かめておきましょう。穴に鉛筆を差し込んで、引っかからずに下まで通れば揃っている証拠です。
サイズの違う紙が混ざる書類は注意が必要です。サイドゲージはA4、B5といった紙のサイズごとに目盛りが分かれているので、サイズが変わるたびにゲージを合わせ直します。カール事務器のSD-85なら、A3〜B6の短辺、A4〜B5の長辺に対応しています。大きさが違っても穴が紙の中心に来るように開ければ、2つの穴の位置は揃います。
2穴の間隔は80mmで、キングジムのキングファイルも同じ80mm間隔の2穴です。間隔が揃っていれば、後からファイルに移すときも開けた穴をそのまま使えます。

書類を紐で綴じる方法は両端を穴に通す
穴が開いたら、いよいよ紐を通します。書類を紐で綴じる方法はシンプルで、紐の真ん中を書類の裏側に当て、両端をそれぞれ2つの穴に通して表側に出し、表で結ぶだけ。裏側には穴と穴のあいだに紐が1本渡り、結び目は表紙の上にできる形です。
束が厚くなるほど、紐が穴の中を通る分だけ長さを使うので、表に出てくる両端は短くなります。結ぶ余りが足りなくならないよう、通す前に紐の真ん中を2つの穴のちょうど中間に合わせておくのがポイントです。左右の長さがそろっていれば、厚い束でも両端に結ぶための長さが残ります。
これから印刷する書類なら、綴じる側の余白も確保しておきましょう。マネーフォワード クラウド契約の解説でも、穴を開ける部分には十分な余白をとるよう書かれています。文字の上に穴が開くと、綴じたあとに読めなくなってしまいます。
具体的な流れはこうなります。
- 穴を開けた書類を順番どおりに重ね、上下に表紙を置く
- 束を裏返し、紐の真ん中が2つの穴のあいだに来るように当てる
- 紐の両端を、それぞれの穴に裏から差し込む
- 束を表に戻し、出てきた両端を引いて、裏側の紐を束に沿わせる
- 両端の長さが同じくらいになるように調整してから結ぶ
綴じ紐の両端は、硬く加工されています。この硬い先端があるおかげで、厚い束の穴にも差し込みやすくなっています。束が厚いと一度で反対側まで通らないことがあるので、そのときは数回に分けて少しずつ押し込み、先端が出てきたら引き抜くように通してください。穴がずれていて途中で止まる場合は、無理に押さずに、束の端を揃え直してからもう一度通すほうが早いですよ。
見栄えと強度を上げたいなら、書類の上下に厚紙の表紙を付けるのがいいかなと思います。表紙があると紐が直接いちばん上の書類に食い込まず、紙が破れにくくなります。学校などで使われる黒表紙や板目紙も、綴じ紐とセットで使うことを前提にした表紙です。表紙に何の書類か、いつからいつまでの分かを書いておくと、保管したあとで探すときにも困りません。

綴り紐の結び方は結び目を穴に押し込む
紐を通したら結びます。ここがいちばん悩ましいところで、ぎゅっと引いたはずなのに、手を離すとゆるんでしまう。この悩みを解決するのが、1回結んだ結び目をパンチ穴に押し込む方法です。
手順はこうです。
- 紐の両端を穴に通し、表側で1回結ぶ(固結びの1回目だけ)
- 紐をきつく引き締める
- 結び目を少しずらしながら、片方のパンチ穴の縁にぎゅっと押し込む
- 手を離しても結び目がゆるまないことを確かめる
- その上からもう一度結ぶ
結び目が穴の縁にはまると、手で押さえていなくてもゆるまなくなります。事務用品を扱うシモジマのオンラインショップや、事務職向けのメールマガジンでも同じ方法が紹介されていて、紐を綴じる人のあいだでは定番の技といえます。保育者向けのブログでは、穴の縁で縛るのではなく、縛り目を穴の縁に移動させる感覚だと表現されていました。結び目を作ってから穴の位置まで滑らせると、ぴたっとはまる位置が見つかる、というわけです。
結び目が片方の穴に寄って気になる場合は、結び目を持って中央へずらせば見た目も整います。2回目を結ぶ前にずらしておくと、仕上がりがきれいです。
うまくはまらないときは、1回目の結び目がゆるいことがほとんどです。紐をきつく引いて結び目を小さく締めてから穴の縁へ動かすと、引っかかる位置が見つかりやすくなります。
保管するだけで、もう開けることのない書類なら、最後の結びは2回目の片結び(固結び)にしておくと安心です。シモジマでは、1回目の片結びをしっかり結ぶのがコツで、余った紐は紐と資料のあいだに挟んでおくとよいと紹介されています。余りが長いと引っかかってほどける原因になるので、挟み込むか、長すぎる場合は切ってしまってもいいかなと思います。

あとで差し替える書類は蝶結びでほどけるように
一方で、あとから書類を足したり抜いたりする束は、固結びにしてしまうと開けるたびに苦労します。爪を立ててほどくか、はさみで切るしかなくなるからです。こうした書類は、結び目を穴に押し込むところまでは同じで、最後を蝶結びにするのがいいかなと思います。
押し込みで締まりは確保できているので、蝶結びでもゆるみにくく、ほどくときは紐の端を引くだけ。保存用と差し替え用で手順を変えるのは最後の1回だけなので、覚えることも少なくて済みます。保育者向けのブログでも、あとから書類を足したり抜いたりすることを考えて、ちょうちょ結びで綴じるのが普通だと書かれています。
もっとほどけにくくしたい場合は、加除式書籍(ページを差し替えながら使う本)を出しているぎょうせいの案内が参考になります。手順をかいつまむと、次のとおりです。
- 紐を交差させて、片方をもう片方に巻きつける
- 反対側の紐を下に回し、中央の輪に通す
- 一度目の結び目をきつめに締め、指で押さえる
- 結び目を押さえたまま左右の紐を引く
- 余った紐の端は、紐の元の部分に挟み込む
差し替えの多い書類を扱う出版社の方法なので、ほどけにくさと開けやすさのバランスを考えた結び方といえるでしょう。
蝶結びにするときは、輪と端を長く残しすぎないのがコツです。輪が大きいと、棚から出し入れするときに引っかかって、知らないうちにほどけてしまいます。余った端は表紙と紐のあいだに挟んでおくと、すっきり収まりますよ。毎月の請求書のように定期的に書類が増える束なら、追加のたびに蝶結びをほどいて、新しい書類を下に重ねて結び直すだけで済みます。
結び方の使い分け
- 保管するだけの書類:結び目を穴に押し込み、最後は固結び
- あとで足す・抜く書類:結び目を穴に押し込み、最後は蝶結び
紐・こより・ファイル|分厚い書類の綴じ方の選び分け
ここからは、道具の選び方と、紐で綴じたあとに出てくる困りごとを扱います。綴じ紐の種類、こよりとの違い、途中の書類を抜き差しするときの工夫、そして紐では足りなくなったときの移し先まで、順番に見ていきましょう。
綴じ紐は長さ450mm、先端の種類で選ぶ
綴じ紐(綴り紐・つづりひも)は、文具店や通販で売られている書類用の紐です。コクヨの商品を見ると、長さは450mmがほぼ標準になっています。20本入りのパックと100本入りの束があり、たまに使うならパックで十分です(出典:コクヨ「つづりひもパック入りセル先 長さ450mm20本」)。
選ぶときの違いは、先端の加工と素材です。
| 商品(コクヨ) | 先端 | 入数 | 希望小売価格(税抜) |
|---|---|---|---|
| つづりひもパック入り(ツ-100B) | セル先 | 20本 | 340円 |
| つづりひもパック入り | うるし先 | 20本 | 225円 |
| つづりひもパック入 | 金属先 | 20本 | 340円 |
| ペーパーつづりひも(ツ-160N) | うるし先 | 100本 | 860円 |
セル先は先端に透明なフィルムを巻いたもので、コクヨは日常使いの書類をつづるのに適していると説明しています。ツ-100Bは、皮糸にスフ糸32本を使ったタイプです。うるし先は先端をうるしで固めたタイプで、先がとがっています。シモジマによると、先が固くコーティングされているものは繰り返し使えるそうです。
ペーパーつづりひもは、再生紙(古紙パルプ100%の上質紙)で作られた紙製の紐です。書類を綴じたまま捨ててもリサイクルできるのが特徴で、保存期間が過ぎたら紐を外さずに処分できます。保管用の書類には向いていますね。
100本入りの束は、860円から1,400円(税抜)まで先端や糸の違いで価格が分かれます。1本あたりにすると十数円なので、職場でまとめて使うなら束、家庭でたまに使うなら20本パック、という選び方でいいかなと思います。色付きのタイプもあり、年度ごとや部署ごとに色を変えると、棚に並べたときに見分けやすくなります。
価格は2026年10月時点のメーカー希望小売価格で、通販ではもう少し安く売られていることもあります。最新の価格や在庫は販売店で確認してください。
こよりで書類を綴じる方法と向く厚さ
こよりは、紙を細くよって紐にしたものです。「事務用こより」「こより紐」とも呼ばれ、昔から書類をまとめるのに使われてきました。こよりで書類を綴じる方法そのものは綴じ紐と同じで、穴を開けて、こよりを通し、結ぶだけです。
マネーフォワード クラウド契約の解説では、契約書をテープを使わずに綴じる方法のひとつとして、こより綴じ・紐綴じが紹介されています。手順は、左端に2穴または3穴を開け、こよりか綴じ紐を通して結ぶ、というもの。和紙などで作った書類に適した、伝統的な方法と説明されています。契約書をこよりで綴じた場合でも、改ざんを防ぐための契印は全ページの見開きに押すのが基本、とも書かれています。
ただし、分厚い書類にこよりを使うのは、私はあまりおすすめしません。シモジマの解説によると、綴り紐はレーヨン製で、出席簿や分厚い資料をとめるのに適しているのに対し、こよりは紙製で綴り紐に比べて耐久性が無いので、あまり分厚くない資料向きとされています。厚い束をこよりで強く締めると、結び目や穴の縁で切れてしまうおそれがあるわけです。
| 綴じ紐(綴り紐) | こより | |
|---|---|---|
| 素材 | レーヨンなどの糸(先端を硬く加工) | 紙 |
| 向く厚さ | 分厚い資料・出席簿 | あまり分厚くない資料 |
| 主な用途 | 保管書類・差し替えのある書類 | 仮止め・保管・和紙の書類 |
こよりが向いているのは、枚数の少ない書類の仮止めや、金属を使わずにまとめたい保管書類です。ホッチキスの針は金属なので、湿気の多い場所に長く置くとさびが紙に移ることがあります。紙だけでまとめられるこよりは、そうした心配がありません。分厚い書類なら綴じ紐、薄めの書類や見た目を和風に整えたいときはこより、と使い分けるのがいいかなと思います。

途中の1枚を抜き差しするときのコツ
紐で綴じた書類の困りごとで多いのが、途中の1枚を抜き出したり、書類を追加したりする作業です。紐をほどいて上の束を外し、目的の書類を抜いてから戻そうとすると、外した束がずれて穴が揃わず、紐がなかなか通らない。厚い束だと一度に通しきれず、何回かに分けて通すことになりがちです。綴じ紐の補助具に関する特許の文書でも、この「抜き出した束を元に戻す作業が難しい」点が課題として挙げられていました。それだけ多くの人が困っている作業なんですね。
この作業を楽にするポイントは、外した束をずらさないことです。紐をほどいたら、外す束は必要な分だけにとどめ、外した束は机の上で端を揃えたままクリップで挟んでおく。こうしておけば、戻すときに穴が揃った状態を保てます。
紐を全部抜かずに、目的の書類より上の束だけを紐から外すのも手です。下の束には紐が通ったままなので、戻すときは上の束を1枚ずつではなく束のまま紐に通せます。順番としては、次のように進めると迷いません。
- 結び目をほどき、紐の両端を表側に出したままにする
- 目的の書類のすぐ上までの束を、紐の先端から抜き取る
- 抜いた束は端を揃えてクリップで留め、横に置く
- 目的の書類を抜く、または追加する書類に穴を開けて紐に通す
- クリップで留めた束を、紐の先端から順に通し戻して結び直す
追加する書類に穴を開けるときは、すでに綴じてある書類と同じパンチ、同じサイドゲージの位置で開けると、穴の位置が揃いやすくなります。
そもそも抜き差しが頻繁にあるなら、前の章で紹介したように最後を蝶結びにしておくと、ほどく手間が減ります。それでも月に何度も出し入れするような書類なら、紐をやめてファイルに移すタイミングかもしれません。

紐で足りない量はパイプ式ファイルに移す
紐で綴じた束が厚くなりすぎると、ページがめくりにくくなったり、途中の書類を探すたびに紐をほどいたりと、扱いが大変になってきます。紐をきつく締めるほど綴じた側が開きにくくなるので、厚い束ほど読みにくさが目立ってきます。そうなったら、パイプ式のファイルに移すのがおすすめです。
代表的なのが、キングジムのキングファイルです。たとえばキングファイル G(974N)は、A4タテ型でとじ厚40mm・適正収納枚数400枚。2穴で穴の間隔は80mmなので、紐で綴じるために開けた穴をそのまま使えます。キングジムはこのタイプを「中途の抜き差しが多い書類に便利なパイプ式とじ具」と説明しています。希望小売価格は1,550円(税抜)です。
974Nはとじ具が片側だけ開く「片開き」タイプで、とじ具と表紙を分けて捨てられる仕様です。キングジムには左右どちらからでも開く両開きタイプのファイルもあるので、途中の書類を頻繁に抜き差しするなら、そちらも候補になります。いずれも、紐で綴じていた束をほどいて、穴にパイプを通し直すだけで移せます。
| 項目 | キングファイル G(974N) |
|---|---|
| サイズ | A4タテ型 |
| とじ厚 | 40mm |
| 適正収納枚数 | 400枚 |
| 穴数・穴間隔 | 2穴・80mm |
| とじ具 | パイプ式・片開き |
| 外寸(高さ×幅×背幅) | 307×243×56mm |
綴じ方を切り替える目安
- 20枚まで:10号ホッチキス
- 20枚を超えたら:2穴パンチで穴を開けて綴じ紐
- 抜き差しが多い・紐ではめくりにくい:パイプ式ファイル(とじ厚40mmで約400枚)
紐とファイルのどちらがいいかは、書類を開く頻度で決まります。年に数回しか見ない保存書類なら紐で十分で、場所も取りません。毎月のように出し入れするならファイルのほうが楽です。ファイルは背幅がある分、棚のスペースを使うので、保管だけの書類まで全部ファイルにする必要はないかなと思います。

分厚い書類の綴じ方は紐、提出用なら製本テープ
最後に、ここまでの内容をまとめます。分厚い書類の綴じ方は、20枚を超えたら穴を開けて紐で綴じるのが基本です。穴はパンチの上限枚数ずつ分けて開け、サイドゲージを動かさずに位置を揃えます。紐を通したら、1回結んだ結び目を穴に押し込んでゆるませず、保存用なら固結び、差し替え用なら蝶結びで仕上げましょう。
分厚い書類を紐で綴じるときのまとめ
- 普通のホッチキス(10号)のとじ枚数は20枚。超えたら紐に切り替える
- 穴はパンチの上限枚数ずつ分けて開け、サイドゲージで位置を揃える
- 結び目を穴に押し込むとゆるまない
- 保存用は固結び、あとで足す・抜く書類は蝶結び
- 綴じ紐は長さ450mmが標準。紙製なら綴じたまま捨てられる
- こよりは薄めの書類向き。抜き差しが多い量はパイプ式ファイルへ
道具をそろえるなら、2穴パンチと綴じ紐の20本パックがあれば、まずは十分です。パンチの上限枚数が少なくても、分けて開ければ厚い書類にも対応できます。
綴じ紐は1本ずつ使い切る消耗品なので、20本パックをひとつ手元に置いておくと、書類が増えたときにすぐ綴じられますよ。
なお、社外に提出する書類や契約書のように、体裁を整えて綴じたい場合は、紐より製本テープのほうが向いています。紐の結び目は表紙の上に出るので、見た目を重視する書類には少し不向きです。厚さに合わせたテープの幅の選び方や貼り方は、製本テープの貼り方と厚さ別の幅選びで詳しく紹介しています。
この記事のとじ枚数・穴あけ枚数・価格は、2026年10月時点の各メーカー公式情報をもとにした目安です。紙の厚さや種類によって結果は変わるので、正確な仕様は各メーカーの公式サイトで確認してください。契約書や役所に出す書類など、綴じ方に決まりがある場合は、提出先の案内に従い、迷うときは提出先や専門家に相談してください。
